株式会社メックデザインの取り組みをご紹介します。
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代表取締役 井上和夫氏 |
株式会社メックデザイン
〒214-0014
神奈川県川崎市多摩区登戸133 |
友情から始まった新たな事業(後半)
日本に、世界に、車いすを通じてメッセージを伝える
「動くこと」を提供するだけではない車いすの存在
その後、脳性マヒの子供たちが通う千葉県・松戸の特別支援学校にてモニター使用してもらうことになる。
寝たきりの、介助なくしては動くことが難しい子供たちがどうしたら使えるようになるのか、再び試行錯誤が始まった。恐怖感をなくすため動き出しの速度をで きる限り落とし、小さな力で動かせるようコントローラの位置も調整した。それにより「自分で動く」という概念がなかった子供たちが、生まれて初めて自分の 意志で動ける喜びを実感することができたのである。
車いすにより「自分の意思で何かができる」という気持ちからか子どもたちに変化が表れた。 個人差はあれど、呼吸が少し安定したり、指が動くようになったり、「楽しいから乗りたい」と思う気持ちをはじめ、様々なシーンにおいてより積極的な 意思を持つようになった。そして一人の子が卒業証書授与式にその車いすで自ら受け取ることを希望し、それが実現できたのである。今では運動会にも出場している。
世界に向けて、そして誇れる日本へ
「舞台照明と車いす製作は全く異なる分野だと思っていました。でも照明や美術の仕事は多くの機材を使い、コンピュータを駆使し、モーター・電気・エレクトロニクスそしてデザイン能力…と今まで培ってきたことが全て役に立ったのです。」と井上社長は語る。
「照明は一つの企画を具現化し、音を視覚化することで人を楽しませ、感動させる。それがまさに今、この”吉田いす”の製作に通じているのだと実感しています。もしかしたら自分はこれを作るために40年も照明をやってきたとさえ思うのです。」
昨年のドイツの展示会でも手応えがあった。機能のみを追求した従来品の中で、『吉田いす』のコンセプトは興味を持たれ、確実なニーズを感じられた。デンマークのチームからは製作にかかる「心」が伝わるのだと言われた。
医療として使うものではあるが、もっといろんなデザインの選択肢があってもいいのではないか。 与えられたものを使うものではなく、愛着の持てる気に入ったものを使うことにより、不自由さからくる精神的な苦痛を少しでも緩和できたらいいと語る。 「誰でも作れるわけではありません。だからこそ自分がそれをできる立場にあるなら、製作し、そこに思いやメッセージを込めて世に出していくことが、 社会に対する自分の義務なんだと思います。」
人間誰しも障害とともに生きる可能性がある。それは明日、直面するかもしれないのである。
「海外では若者も年寄りもファーストネームで呼び合う。そこには隔たりがないんです。肩書きとかレッテルとか、外見で判断する事がほとんどないんです。身 障者と健常者の間にも同じように隔たりはありません。みんな同じ人間同士で、言葉が違うとか背の高さが違うとか、肌の色が違うとかと同じで、当たり前に生 活しています。日本ではそうではありませんね。身障者のマークなんて日本だけだしね。いつの日か日本もそういう社会になるといいですね。」
そう語る井上社長の目は優しく、そして強く輝いている。

てんとう虫をイメージした子供用車いす














